恋の病に、堕ちてゆく。

いつもより素早く背中の処置をしてくれた。

「今日は加奈ちゃんに話があって来たの。これから話すことを聞いても、絶対に驚かないでね」

「話ですか?」

どうやら今日は話があるから、急いでいたらしい。なんだろう?

「まずはこれを見て。驚くと思うけど、声には出さないように。いいわね」

やっぱり先生は早口だ。


「はい」

「一応、ドライヤーでカモフラージュしておくわ」


先生は高級ブランドのバッグから、雑誌を取り出してあらかじめ付箋をつけた箇所を開いた。そしてすぐにドライヤーのスイッチを入れた。

聞き慣れた音と、近くで風を感じながら、開かれたページを覗き込む。


「お!?ーー」


無意識に動いてしまった唇をすぐに先生の掌が覆った。

強く強く押し付けられ、それ以上の声は漏れなかった。