恋の病に、堕ちてゆく。

先生が帰ってから、勉強に集中した。

こうしている間にも同級生たちに差をつけられる。日常に戻った時に、人生に絶望したくない。頑張らないと。


「進んでる?」

紅茶を持って来てくれた青波に参考書を覗かれる。

「やりにくくない?ノートとかいる?」

「大丈夫です」

もうこれ以上何も与えられたくない。何も望まない。

「そっか。何かあったら呼んでね」

勉強をしている時は気を散らさないようにいつも部屋の外に居てくれる。


「…先生と、なんかあった?」

「え?なにかって?」

「昼食の時も元気なさそうだったから」

鋭い…。それでも青波は私の顔色を確認するようなマネはせず、背中越しに聞いてくれた。

「…なにもありませんよ」

「あいつたまに余計なことを言うんだよ。傷ついたりしてない?」

ああ、先生のことを理解しているような口ぶりだ。