恋の病に、堕ちてゆく。

良かった、顔を見られなくて。
きっと私は間抜けな顔をしているだろう。

2人が元恋人同士?そしてこの誘拐事件が片付いたら、元の鞘に戻るのかな…。

「す、好きな人が、誘拐犯って許せるんですか?」

声が震える。

「ええ。青波の選択の全てを尊重するわ。私は彼を愛しているから」

「本当に彼を思うのなら、止めるべきではないですか!」

思わず熱くなる。

「誘拐犯と、イルカショーを見て楽しんだあなたに言われたくないわ。あなたは当事者なのに、青波に心を許している。だからあなたに私を責める権利はないわ」

淡々と言い返された。
その通りだ。

当事者の私が、青波に心を許し始めている。最も青波を否定しなければならない立場の私が、彼を受け入れ始めている。

先生に口出しできる立場じゃないよね。