暑い暑い、夏の日だった。

〝世界〟というものに縛られていた私に寄り添ってくれて、励ましてくれて、抱きしめてくれて。



「逃げていいんだよ」



って、背中を押してくれた。

私を縛っていた縄がほどかれ、自由になった私は君のおかげで、海に飛び込むことができた。

服が水を吸って重くなり、私は海の底に沈んでいく。

藍色の世界で、目を閉じる。



「ありがとう、○○」



私の言葉は、泡となって溶けていった。