これからも、一緒にいたい  ~桜が似合う恋のはなし。

 中に入ると、来た人数を知らせる機械があった。

「大人2名……席は、ボックス席とカウンター、どっちがいい?」
「えっと、どっちでも……」
「じゃあ『どちらでも』を押すね……」

 佐藤涼太先輩が画面の文字を押していくと、座る席の番号が書かれた紙が機械から出てきた。

 ふたりでカウンター席に並んで座った。

「今日は、来てくれてありがとう」
「は、はい……」

 ドキドキしすぎて、上手く話せないし、目も合わせられない。先輩は横にいるのに、正面を向いたまま返事をした。

 それにしても、お寿司が回っていない。どうしたらいいの?

「あの、私、実はこういうお店、初めてで……」
「あ、そうなんだ。このタブレットで注文したらここに流れてくるよ」

 あっ、目の前にタブレットが……。緊張しすぎて周りが見えなくなってた。どうやら、タブレットで食べたいお寿司を注文するらしい。