ペトロニラが断罪されてから、ルイやエリオット、サイラスにはすでに何度も謝ってもらっている。もちろん、ペトロニラの言葉を鵜呑みにしてルサレテを邪険に扱ってきたことについて。
 ルサレテは首を横に振って言った。

「それより……殿下の方こそ心配です。殿下はずっと妹と親しくしておられましたから。心の傷も深いはずです。どうかご自愛くださいね」
「……!」

 労りの言葉のあとに優しく目を細めれば、彼はわずかに目を見開いた。

「そなたの優しさに長らく気づけなかった自分は、本当に愚かだ」

 そのとき、ルイの頭上に浮かぶ好感度メーターが、0から1に変わった。ニュートラルな状態からプラスへの初めての数値増加だった。
 しかし潔白が証明されたルサレテは、ロアン以外の攻略対象の好感度はどうでもよかった。

 ルイ以外の攻略対象たちも、ペトロニラの断罪を機にルサレテへの一切の疑いが晴れて親切にしてくれている。嫌われているわけでも好かれているわけでもない、ニュートラルな0の状態を今後も維持していきたいと思っている。