ゲームの本編が終わっても、ロアンはずっと死と隣り合わせだ。どのエンディングも、切なくて、悲しさを残している。だからルサレテは、シナリオとは違う未来を目指したい。

「そう心配そうな顔をしないで。最近……君が言ってくれたように奇跡を信じているんだ。この病気を良くして、もっと……君と一緒にいたいから」
「…………!」
「俺は君といるのが楽しくて仕方がないんだ」

 その言葉は、嘘ではなく本心だと分かった。

(奇跡は私が起こしてみせる。だからロアン様……。もう少しだけ辛抱を)

 その気持ちは舌先で留めて、ありがたい言葉だとお礼だけを伝えれば、彼の好感度は+2上がった。
 少しずつ、少しずつ絆を深めていき、彼はルサレテにとって大事な存在になっていた。

「私もロアン様と……これからも楽しく過ごしていたいです」