好きだなんて、【完】


ーーーピンポーン




両親も、風季もいない家の中、インターフォンが鳴った。


さっき、つららに連絡したからきっとつららだろう。



そう思って何も確認しないで、ドアを開けると、





「凪くん…大丈夫?」





幻覚?



学校終わりで制服姿のしずくの姿だった。


「は…、なんで」


「熱あるって聞いて…」



やばい、そんな潤んだ目でみないでほしい。


理性とか保つ余裕ないのに。


「俺、つららに連絡したんだけどなんでお前がくんの」



その棘のある言葉に、わかりやすく萎縮するしずく


酷く傷ついた表情を見せるしずくに胸が痛む。



「ご、ごめんねっ…お姉ちゃん撮影らしくって」




「あそ」



つららのやつ…なんでよりによって、しずくに…



「な、凪くんきっと何も食べてないと思ってお粥作ってきたよ」


ちょこんと腕に抱えられているのはタッパー