「たとえば…指輪をプレゼントされた意味は『私のものになって』とか、ネックレスは『独り占めしたい』、イヤリングは…」
「知らない。」
無機質に出た低い声は、しずくの潤んだ瞳を揺らして、萎縮させるには十分だった。
分かりやすく落胆するしずく
「そ、だよね…ごめん」
張り裂けそうな心臓音
俺は何度、嘘をつけばいいんだろうか。
まさか数年経ってから、そんなこと言われるとは思わなかった。しずくはずっと気づいていなかったのに。
当時、高校生の俺なりに考えたプレゼント
イヤリングを送る意味は、
『側にいたい』『あなたを守りたい』
パールは『あなたを本当に愛しています』
伝えられなくなった俺の思いは、今日もしずくの耳元で光っている。