凪side





「凪くんは…優しくて、よく分からないね」





しずくのか細い声




胸が、弾けそうなほど痛む





目一杯優しくしてやれたら、どれだけいいだろうか。



こんな中途半端な優しさ、しずくを混乱させるだけだって分かってるのに。




車窓から見えた本屋に入っていくしずくを見つけて送迎車を飛び降りたなんて、言えるわけない。



この間襲われかけたのに、危機感を全く持っていないしずくに怒りさえ覚えた。





「別に優しくねぇよ」




「優しいよ。ずっと」




どうしてそんな直向きに俺のこと信じるわけ?




普通芸能人になって調子に乗ったとか、変わったとか思って離れていくだろ。








「ねえ、プレゼント言葉って知ってる?」








「は?」




何を言い出すかと思えば…