数年前
「凪くんお待たせっ」
駅前の広場、ブレザー姿で佇む凪くんに声をかける
「別にそんな待ってねーよ」
寒い中待たせたのに、鼻を真っ赤にしてそんな嘘をついてくれる。
3月なのにずっと寒いから困るよ
「ごめんね。ホームルームが長引いて」
「いーって。風季は部活か?」
「うん。しばらく休みないって」
こういうときに、凪くんと同じ歳で同じ学校に通えたらなって考えてしまう。
それならこんな駅前で待たせることもないのに。
「なら、俺ら2人で行くか」
「うんっ」
よくこうやって放課後の駅前で待ち合わせして、コンビニの新商品を食べる会を開く私たち。
凪くんがねコンビニの食べ物がすごく好きなの。



