「ねえ、行こ?」



な、何気にボディタッチされるし、この人嫌だ…



「い、行きませんっ、お手洗い行きます」



はっきり断れた…



よくやったよ、私



はぁ、トイレから出たくないなぁ



本当は帰りたいけど戻らないと、あーちゃんの顔が立たないよね。



「しーずくちゃん」



「なんで、」




トイレを出るとさっきの人が目の前に立っていた。



もしかして追いかけて来た?



「抜けようよ」



薄気味悪いその笑顔


片手には私のカバンが持たれていた。



最悪…




「こ、断りましたよね?」



「うーん、いいからいいから。」



「ちょっ、」



強引に腕を掴まれて、あっという間に店の外に連れてこられた


あたりは薄暗くなっていて、繁華街で賑わっている。



どうしよう。




怖い。



助けて。



「は、離してください」



抵抗してみても、びくともしない。



男の人の力だし、敵わない。



ああ、泣きそうだ。