マンションのエントランス



エレベーターを待つ、その姿に大きく胸が跳ね上がる




あの日から1週間、久しぶりに見た凪くんの姿だった。



軽く帽子をかぶって、マスクをしていても漏れ出すオーラはいつものこと。




わりと近づいてから気づいたから、ここで止まるのも不自然だよね…



でも身体が硬直して、うまく息ができない。



エレベーターの前、凪くんの少し後ろに立った。




…心臓が爆発しそう




ちらっとこちらを見た凪くんも、私の存在に気づいた



これでもかと早くなる心臓の音



エレベーターが到着して、2人きりで乗り込んだ。



2人きりで話しかけないなんて不自然すぎるよね。



なんとか深呼吸をして



「こ、こんにちは」




やっと出た声はか細い


聞きたいことはたくさんあるのに