好きだなんて、【完】


凪side



あれからなんとなく家に帰るのは気まずくて、久しぶりに1人でショッピングをして、晩御飯を食べて帰ってきた。



風季とはあれから話していない。



数件来ていたしずくからの連絡に、既読だけつけて、携帯が壊れそうなくらい強く握りしめていた。



あの日から数日




事務所で打ち合わせのためにいると、




「ちょっと、あんた!」




会議室のドアを乱暴に開けて入ってきたのはつららだった。


血相変えて怖い顔




「なんだよいきなり」




なんとなく想像はつくけど




「凪は、私のこと好きなの?」



「……は?」




意味が分かんないんだけど




なんでそうなる?




「しずくにそう言ってたんでしょ?」



馬鹿なの?と呆れた声が聞こえる。



「カモフラージュのつもり?」



「…そうだよ」




しずくと風季に俺の気持ちがバレないように。




2人の恋を邪魔しないように。