好きだなんて、【完】


「今のはやばい…っ」




「え?」




「何、今の上目遣いとボディータッチ」




真っ赤な風季が手で顔を隠して恥ずかしそうに言う。



その気持ちが伝染して、私もさらに顔に熱を持つ。



…あっつい




「そんなつもりないん…だけど」



睨んだつもりだったのに、こんな甘い空気が流れるなんて。




「昨日、ちゃんと寝れたか?」



恥ずかしくなって俯くこと数秒間



風季はもう普通に戻っていた。



「う、うん」



切り替え…早い



「ん、良かった。」



風季ってこんな柔らかく笑ってたっけ?



もっと豪快に夏の太陽みたいな眩しさだったように感じるのに、今日は寒い冬の日の木漏れ日みたいな笑顔




「じゃあ俺朝練だから」



先行くわ、とカバンを持ち直す



「が、頑張ってね」




「さんきゅー!」




「っ、」




そう言って頭をポンポンと撫でられた。



…これはさすがにドキドキしちゃうよ。