「凪も、風季も可愛い弟としか思ってないよ!」
「凪くんはきっとそんな風に思ってないと思うけど…」
私は聞いたんだよ、本人から。
あの時の凪くんの表情がフラッシュバックして、胸が苦しい。
「いやいや!凪もなんとも思ってないよ。まあ私のせいで芸能界に入ったんだし、責任は感じて色々面倒はみてるけどさ。誤解だよ?」
「お姉ちゃん鈍感なんだね」
いつもキラキラしていて、無意識に人に光を与える人だ。
自分が眩しすぎて、周りの人が白んで見えないんだよ。だから鈍感なんだ。
「なんで信じないかな…本人からそう言われたとでもいうの?」
「……」
「え、本当に言われたの?」
お姉ちゃんの問いに静かに首を縦に振ってしまった。
私は、最低でずるい。



