「…あいつ許さない」
自分だって凪くんのことが好きなはずなのに、嫌な顔ひとつせず私のことを考えてくれるお姉ちゃん
こんなの勝てっこないよ。
「違うの、私が調子に乗っただけだから。凪くんは悪くないっ、」
「しずく…」
凪くんを好きになった私が悪いんだ。
元に戻りたいなんて願うからだ。
「私も凪くんが好きなのっ…」
もうこれ以上大好きなお姉ちゃんに嘘をつくのは辛かった。
「しずくの気持ちなんて昔から知ってたよ」
あっけらかんと笑うお姉ちゃんの感情は読めない。
「ごめんなさい」
同じ人を好きになってごめんなさい。
邪魔して、ごめんなさい。
「なんで謝るの!?」
「だって、お姉ちゃんも凪くんのこと好きでしょ?」
「ええ!?ないない!!ありえない!!」
何言い出すの、って笑う顔は美しい。
でも本当になんとも思ってないような雰囲気
…思ってたのと違う。



