好きだなんて、【完】





私あーちゃんにしか言ってないのに。



風季に言ったら、なんか変な誤解されそうだから。




「ごめん、天野から聞いた」




「あーちゃん…どうして」




つい口滑らせちゃったのかな?でもあーちゃんってそういうタイプじゃないよね。




「しずく」




何か言いたげな風季の表情




「わかってるよ!凪くんはお姉ちゃんのことが好きだし、私だってそんなんじゃないから!」



そんなんじゃないとか嘘だけど、凪くんのことが好きでいる自己中なこの感情に風季を巻き込むわけには行かない。




勝手に作り上げてるお姉ちゃんと凪くんと私の叶わない三角関係で十分だ。




「…しずく」



でも風季は察しがいいから、何か気づいてるみたい。




「ただ本当にお礼にご飯食べに行くだけ!」





「そっか」