好きだなんて、【完】

















「うん!完璧」




鏡の前で見る自分の姿




この間凪くんがテレビで言ってた、理想の彼女コーデを真似してみた。



白いサテンのブラウスに、ブラウンのスカート。ちょっと大人っぽいけどいいよね。



それに合わせて髪も緩く巻いて、メイクもした。



浮かれてるって分かってる。




けど、次がある確証なんてどこにもないから毎回全力でいたいんだ。




あ、時間やばい!




凪くんは夕方までお仕事があるらしいから、お店の前で待ち合わせ



こんな日が来るなんて、と心躍らせながら玄関を出ると、見慣れた背中に出くわした。



ジャージ姿に、エナメルバッグを持っているその姿




「風季」




「…おう」




どこか気まずそうに振り返った風季




なんだかぎこちない空気が流れる。




「…兄貴とご飯?」




「え!?なんでそれっ、」