「ほんとに無理だってば!」
「その言葉さっきも聞いたぞ」
「何回言ったって訳わかんないよっ!」
「おっと、そろそろ行かないと。1ヶ月だけだから」
「1ヶ月だけ!?1ヶ月もよ!」
「それじゃあ元気にするんだぞ。あちらのお宅ではきちんとするんだよ。じゃあね」
「ちょっ……お父さん……!」
……はぁ。お父さんとの口論が終わり、床にしゃがみこむ。
お父さんが、仕事で1ヶ月間家にいないから思うさんの知り合いの家に泊まらせてもらうんだって。
……はぁ。嫌だな……。
「あぁ。恵那!住所はメッセージで送っているからね!ここから近いし心配することはない!気おつけていくんだよ!」
「はーい……」

ここ、か……。
家が沢山並んでいる住宅の一番奥の家。
私の家と同じくらいの大きさかな。
「……だれ?」
「……っ!?」
後ろを振り返ると、そこにはたくさんの影をした同い年くらいの男の子が立っていた。
この人、すっごく綺麗な顔してるなぁ。芸能人かなにかかな?
……って、違う違う!
「……あの、怪我、大丈夫ですか、?」
「こんなの大したことない」
そう言って私が泊まらせてもらう家へと入っていった。
……え、?