「しかし、お前らがまさかパンダーマン歌うとはな」
「うちら良いコンビだったっしょ?」
「夢咲の大熱唱にはドン引きしたがな」
「はぁ⁉︎ ああいう曲は元気よく歌わないと!」
「もっとあざと可愛い曲とかにしろよ。だからお前は変な男にしか愛されねぇんだよ。お前が超変だから」

うっ、裏の和泉やっぱりひどいな!

「い、和泉には言われたくない! 女子がキュンキュンしそうな曲ピンポイントで選びまくって! そんなに女子にきゃあきゃあされたいか!」
「俺はみんなの期待に応えてやってるだけだ」
「ナルシストってキモいよ?」
「仕方ないだろ。こんな美貌に生まれた以上ナルシストにならざるはえねぇんだよ」
「あの……ケンカしないでください」

わ、祈くんが涙目!

「だ、大丈夫だからねっ! ケンカじゃないしっ」
「良かった。では仲良いからこそのじゃれ合いですね」
「じゃ、じゃれ合いって言い方やめろっ」
「ご、ごめんなさい」
「ちょっと! 祈くんいじめないでよ。まだこの和泉に慣れてないんだからさ」
「逆にお前は順応はえーな」
「過去にモラハラ男と付き合った私は強いからな!」
「開き直んな」

そういえば、結局次のお相手探しの事すっかり忘れてたな。

あとあのカラオケで私は面白枠確定したし、クラスの男子達からは恋愛対象から除外されてたりして。

「いっただきまーす!」
「い、いただきます」
「いただきます」

3人で近くにあったラーメン屋さんに入る。

「夢咲、お前ラーメンに半ライスに餃子って」
「たくさん歌ったからエネルギー要るし!」
「女子力皆無かよ。男の俺らより食ってるし」
「育ち盛りだからいいのっ」

和泉はラーメンのみで祈くんは餃子のみだ。

「つーか、ホッシー。お前は食わなすぎ」
「少食な方でして」
「にしても餃子だけってよ」
「それでさ、祈くん! さっき言ってたクラスで一番暗いオーラって和泉なんだよね?」
「は、はい。真っ黒なオーラ……です」
「勝手に見てんじゃねぇよ」
「あ、あの……勝手に見えちゃう体質なんです」
「ちなみに私はオレンジ!」
「バカっぽい色だな」
「おいっ」

やっぱり和泉は真っ黒なのか、オーラ。