結局どこにいくか話し合ってるうちに終着駅についてしまって、来たことないし降りるか!と無計画に降りた。
スマホでなにかないかなーって探したら、近くに大きな公園があって、早咲きの桜がいくつか咲いていた。
小さなキャンピングカーで唐揚げとかハンバーガーとかが売ってたから、適当に買いあってベンチで食べた。

こんなノープランで遊ぶなんて今までなかったし、新鮮で。
なにより藤崎が隣にいることが嬉しくて。
なんだかずっと笑いあってた気がする。

「あー楽しかった!」

大きく伸びをして、隣の藤崎にいいながら笑う。
楽しいという気持ちと同時に、もう帰るのか、という寂しい気持ちも沸きあがる。

帰ろうか、と話して、電車のホームに来たけど、次の電車が15分後だったからベンチに座った。

「初めて降りたけど、結構楽しかったな」
「うん。桜満開になったらきれいそうだったよねー」

まだつぼみだったけれど、桜並木があったし、満開の時期はきっとたくさんの人が訪れるんだろうな。

「またここじゃなくても、桜満開になったら花見でもするか?」
「え、う、うん!」
当たり前に次の約束ができることが嬉しくて、あたしの頬はつい緩む。
あたしの食い気味の返事に、藤崎も楽しそうに笑った。

そのとき、ふとホームに制服を着た学生がいるのが目に入る。
春から高校生かあって思うと、ふと疑問が浮かぶ。

「藤崎さ」
「ん?」
「なんで、北浜高校だったの?」

それは、藤崎の高校の志望理由。
サッカーが強いからって言ってたけどほかに理由があるんじゃないかって桐野がいってた。