先生の話が終わるとあたしたちは一度校舎を出る。
校舎の外ではあたしたちを待っている後輩がいるからだ。
校舎の外は後輩たちの花道ができている。
毎年生徒会や委員会に入っていない子たちでも、部活動の先輩を見送るために待っている。
花束や色紙をもって、あたしたちが来るのをいまかいまかと待っているのだ。
あたしも二年間そうだった。
卒業していく先輩たちを見送って、今度はあたしの番。
なんだか照れくさいような、ちょっとうれしいような気持ちだった。
クラス順で教室を出ていく。
あたしが校舎を出てしばらく歩くと、後輩が花束を渡しに来てくれた。
「先輩、卒業おめでとうございます!」
「ありがとう」
花束をもらうとふわりといい匂いがした。
「これ、みんなからです」
「わーうれしい!」
色紙も別の後輩が渡してくれた。
何人かの後輩が泣いてくれた。
少しだけ後輩たちと話して、あたしはもらった花束と色紙をお母さんに渡して、教室へ向かう。
教室にはクラスメイトたちが卒業アルバムの後ろのメッセージ欄を記載していた。
「あ、遥、書いてよー」
あたしの姿を見つけたクラスメイトがペンとアルバムを渡してきて、あたしも何人か書いたり、書いてもらったりする。
「高坂、俺も書いて」
桐野があたしにアルバムとペンを差し出していた。
「あ、うん」
受け取って、何を書けばいいのか迷う。
迷った末に、仲良くしてくれてありがとう。高校が一緒だったらよろしくねって書いた。
桐野は、あたしのアルバムに高校でもよろしくなって書いてあった。
一通り書き終わったタイミングで、桐野と目が合って、外行く?とジェスチャーをされたので頷く。
二人で行くと茶化されそうだったから、あたしは先に教室を出た。
どこが人がいないか考えたけど、在校生がいないから2階に上がらないだろうと思って階段の踊り場で一旦待つことにした。
スマホで連絡を入れて、桐野を待つ。
壁に背を預けて、ふうと息を吐く。



