夕方、幼なじみから電話がかかってきた。

テスト範囲を聞くためらしい。

授業中、思いっきり寝てたもんな。

私が君の寝顔を愛しく眺めていたことなんて、電話越しの君は知らない。

「ねえ、」

「ん?」

「あんたにとって、私ってなに?」

「……」

思わず質問しちゃったけど。

困らせちゃったかな。

そりゃそうか。

私なんて、友達以外のなんでもないよね。

友達って言ってくれれば、それだけで満足。

だから、友達って言って。

「ごめ……」

「好きな人」