「簡潔に申しますと、花の近くで呼吸をすると、痒くなったりムズムズする症状などが出るのです。私は当てはまらなく未経験なのですが、その症状になられる方はもう近くに花があるだけでイライラしてしまう時もあるのだとか。でも症状が強く出る花の種類は限られていて、私が花魔法で出している花は、そんなに影響ないと思うのですが……」
「なるほど。影響が少ない花でも症状が現れる程ヴェルゼ様は敏感なのか。それとも、疲れが溜まると免疫力が弱まり敏感になるとかは人界の風邪などでもありますが、その類かもしれませんね。ルピナス様、その症状を解決する方法などはございませんか?」
「……あります。実は私、花粉症の研究をしておりまして、症状をなくす花が、あちらの方角にあると噂が。どうやらその花は、妖精が特殊な粉を花にかけて育てた『妖精の花』という名前なのだとか……」
 ルピナスが東の方を指さすと、我とエアリーも同じ方角をみる。
「私たちはあちらに行ってみましょう」

 ルピナスに一緒にいたくないと、完全に拒絶されなくて安堵した。 
 それにしても花粉症、だと?