我は今から森の中で食材を集める。ルピナスを迎えに行く前からここに来る計画でいた。

 我は時間が巻き戻る前の、ルピナスと共に魔界に住んでいた時の記憶を辿った。ルピナスは、何でも美味しそうに食していた。嫌いなものは恐らくないと推測する。前もって、木の陰あたりにキノコを見つけていた。我ら悪魔は毒を嗅ぎ分けられる。このキノコは、毒がない。すなわちルピナスが食べられる食材ということ。続けて森を越えると海があり、人界で学んだ知識を活かして魚を釣った。身が詰まったふくよかな魚が釣れた。釣ったあとは事前に準備をしておいた、食材が入っている箱がある場所へ行く。箱を開ければパンやフルーツ……色々な食材が入っている。あらかじめ人間達の商店街で仕入れておいたものだ。

 今、料理の修行の成果が試される時。ルピナスはどのような反応をするだろうか。

「美味しいわ、ヴェルゼありがとう」などと言われてみたいものだ。どのような反応をするのか……思考を巡らせるとなんだかドキドキと、普段起こらない胸の高なりを感じる。息苦しい。ルピナスと再会したことにより我の身体に様々な異変が。