「はい、なんなりと」
「あの方は、時間が巻き戻る前、私に一体何をしたのでしょうか?」
「ヴェルゼ様は魔界にいる時は、最強であると同時に冷酷でした。冷酷というか、それはただ他の者に興味がないだけのように見受けられましたが。それはルピナス様に対しても……正直あまりにも酷くわたくしが直接ルピナス様にお伝えしてもよいものか。もし宜しければ、ヴェルゼ様の過去を直接見られますか?」
「お姉様達のようにですか?」
「そうですね、ただひとつ申し上げますと、ヴェルゼ様は他の者に冷たくされても、拒絶はされませんでした。けれどルピナス様に対してだけは時々拒絶反応を……だから私は違和感を……あ、いや、わたくしはどうも余計なことまで話しすぎてしまう傾向があるようです。申し訳ございません」

 エアリーが言うには、あまりにも醜いことをされたらしい。今一緒に行動を共にしているヴェルゼを見ていると、それが信じられない。でも、向き合う必要を感じた。

「お願い、いたします」
「分かりました。そうですね……目の前にご本人がいらっしゃらないと、能力は使えません。ですので、ヴェルゼ様が眠りについた頃、バレないように意識をルピナス様に送ります」
「分かりました」