我は姿を戻し、ルピナスに提案した。

「ここから離れているが、魔力を蓄えられるため、我が人界に来てからしばらくいた土地がある。そこで我はある程度の魔力を回復した。そこでしばらく一緒に暮らさないか? 気に入れば、ずっとそこで暮らしてもいい」
「……でも、家にいるお母様が心配で」
「大丈夫だ。エアリー」
 ヴェルゼがエアリーを呼ぶと、羽を広げた姿でエアリーが空から降りてきた。
「ルピナス様のお姉様達は近々、遠くにある街の男の元へ嫁ぎに行くことになります」
「えっ? それは、決定されたのですか?」
「はい、その通りでございます。なのでご両親は今後平和に、仲睦まじくおふたりでお暮らしになると思われます。ルピナス様のお姉様達は嫁ぐ準備で慌ただしく動かれると思われますので、お母様を毒殺するお時間もないかと」
「お仕事がお早いですね……じゃあ、心配しなくても?」
「両親のことはエアリーに任せていればいい。会いたくなればいつでも会いに行けばいい」
「はい、わたくしにお任せください。すでにルピナス様のお父様とお母様にもお伝えしており、納得されております」
「あの、ひとつ質問が……」