ルピナスに頬ずりされると全身が熱くなったから、少しだけ顔を離した。なんだこの感じは……心の臓が早くなる。今までに感じたことのない現象が我に起きている。だが、可愛いと言われるのも悪くない。ルピナスに本来の姿が受け入れられなければ、いっそうずっとモフモフの姿でいようか。

 外に出て家から離れ、湖まで来た。しばらくルピナスは湖を眺めながら休憩している。我は脳内でエアリーと会話をした後、ずっとルピナスの横顔を見つめていた。もう一時間ルピナスは湖を眺めている。

「はぁ……」とルピナスは溜息をつく。

 さっきの、ルピナスと母親の会話は聞いていた。ルピナスはあの家にいる限り、心を健やかにして過ごすことは困難だろう。早急にあそこから離す必要がある。エアリーにはある計画を実行するよう頼んだが……。