真実を知っても、私には何も出来ない。落ち込みながら廊下に出るとモフモフヴェルゼが足元に擦り寄ってきた。私はヴェルゼを抱き上げる。

「出会った時よりも重いよねきっと。この姿、ふわふわで可愛い」

 頬ずりすると、更にふわふわを感じ、気持ちがよい。

「ねぇ、何かいい方法はないかしら」

 私はヴェルゼに話しかけながら外に出た。少しでも頭をすっきりさせたくて、散歩をすることにした。