君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る

咲は週1回しか活動していないという書道部に見学に行った。見学者は数人おり、部長の佐藤江梨(さとう えり)が親切に教えてくれた。雰囲気が良かったので、ここに入部しようと決めた。

咲はある事件のトラウマで夜道が怖い。そのため夜遅くまで活動がある、部活に入部できない。また家事もしているので、咲は活動が少ない書道部は好都合だった。

4月末に書道部に入部する1年生が集まった。全員で5人だった。1人1人挨拶をする。その中で咲にとっては意外な人物がいた。

「田辺真由(たなべ まゆ)です。書道は授業での経験しかない初心者ですので、色々教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。」

真由は明るくはきはきと自己紹介をした。真由は咲と同じクラスである。真由は明るく綺麗でいつも輪の中心にいる。地味目の印象のある書道部に入部するのは意外だった。咲は同じクラスだがまだ1度も話したことはなかった。

「山本さん同じクラスだよね。よろしくね。私は田辺真由だから、真由って呼び捨てでいいからね。私も咲って呼んでいい?」

「はい。お願いします。」

「こちらこそよろしくね。」