鳴門高校は全員が部活動に入部しなくてはならない。そのため新入生歓迎会をする体育館にどんな部活があるのか見に行く。もちろん友達なんておらず、1人で向かった。

ひときわ大きな歓声があがった。どうやらサッカー部の紹介のようだ。ここのサッカー部は強豪のため、練習時間も長いだろう。活動が少ない部活を希望している咲にとっては正直あまり興味がなかった。
ただ、あまりにも歓声が大きいので、見てみる。

(えっ・・・廉だ。なんで?)
幼なじみの廉が大歓声を浴びて話していた。廉とは母親同士が仲良しで、家が近かったこともあり、幼い頃はよく遊んでいた。ただ転校後は何をしているのか全く知らなかった。昔から優しくてかっこよかったが、以前より大人になった廉は、体格が大きくなり、逞しさが増した。咲にとって初恋の相手だったが、この人気を見て、絶対に廉に自分の存在が気付かれないようにしようと誓った。