咲と真由は書道部の休憩時間に2人でご飯を食べながら、話していた。

「今ここ人気の店なんだってー。」
真由がスマホを見せながら言う。

「あっ私もこの店この前写真で見た!オシャレだよね。」

「行こうよ。」

「いいね!行こう!」

真由と咲は夏休みに何度か会い、カフェに行った。2人で色んな店を巡って、食べて、たくさん話す。2人はますます仲良くなっていた。

「真由ちゃん、咲ちゃん久しぶり。」
大地は2人に声をかける。

「お久しぶりです。」
2人は挨拶した。

「久しぶり、元気にしてた?」
廉は聞く。

「はい、元気にしてますよ。大会お疲れ様でした。」
咲は言う。

「ありがとう。まぁ負けちゃったけどな。」
廉は明るく話すが、悔しい雰囲気を咲は感じる。廉がサッカーが大好きでたくさん努力し、全国を目指していたのは幼い頃から知っていた。なので、落ち込んでるんだろうと思った。

「夏休み忙しくしてるの?」
大地が聞く。

「歌のレッスンはしてますよ。あとは週1回部活に来て、咲とカフェ巡りしたりしてますね。」

「そうなんだ。ねぇ、4人で遊びに行かない?例えば遊園地とか!!」

「えっ、行きたいです!!」
真由は驚いたが、大地に誘ってもらったことが嬉しくて、答える。
ただ、咲は黙ったままだ。

「咲も行こうよ!」
真由は声をかける。

咲も行きたくないわけじゃない。ただ、廉と仲良くしてるのがばれて、また学校生活が上手くいかなくなるのが怖かった。真由と仲良くなり、咲は明るくなった。お父さんにも真由のことはよく話しており、前より心配させていないと思っている。お父さんには廉と仲良くすることを止められており、困らせたくなかった。

「なあ咲。俺は咲と一緒に行きたい。ただ、行く前にお父さんに了承とってからにしようと思ってる。昔のこと親から聞いたよ。俺は何も知らなくて、咲に話しかけた。傷つけてきてごめんな。だけど、俺は昔みたいに咲と仲良くしたい。なんなら、昔よりもっと仲良くなりたいと思ってる。今回はちゃんと守るから。」

廉の言葉を聞いて、咲は涙目になった。
「私も、、、行きたいです。」

「うん。行こう!」
そう言って、廉は咲の頭を撫でた。

「咲のお父さんいつならいはるかな?」
廉は聞く。

「夕方には帰ってくると思います。」

「そっか。明日じゃあ行ってもいい?」

「はい。大丈夫です。」

「俺も行くよ。」
大地が言う。

「咲ちゃんと遊園地行くのは廉だけじゃないだろ。俺も行くんだし、許可いただいとかないと。それに俺も何かあったら助けるから。」

「私も行く。私も咲のお父さんにいつも仲良くしてもらってますって言いたいし。それになにがあっても私がいるから。私はこの高校に入って、咲に出会えて嬉しいよ。ずっと仲良くしたいと思ってる。親友だって思ってるから。」

「ありがとう。」
咲はそう言ってぽろぽろ泣き出してしまった。
廉は咲の涙を拭き、頬撫でた。