「瀬野くんがんばーーー!」
聡は第1走者であり、応援が響く。

「いにちついて、よーいどん!」
聡は2位でバトンを渡す。
その後3位になってしまったが、まだまだ接戦だった。

どのチームも盛り上がり、応援に熱が入る。

「大地さんがんばー。」
「大地いけー!!」

大地は走るのが速く、前との距離を詰める。黄色団は盛り上がる。

「大地さん、走るのも速いんだ。かっこよすぎる。」
女の子達は騒ぐ。

大地は2位まで追いつき、バトンを渡した。
2位になったが、1位まではまだ距離がある。その後もずっと2位のまま距離は縮まらない。
残すはアンカーだけとなった。アンカーはグランド2周だ。

廉はアンカーであり、応援は最高潮になっていた。
廉はバトンをもらって走る。前とどんどん距離をつめた。

「廉いけーーーー!」
「廉さん、頑張って!」
声援がわく。

廉は必死に走る。団長として、頑張ってはきたが、準備はほとんど任せてしまったし、盛り上げは佐久間と大地の方がたくさんやってくれた。廉はこの容姿のため、目立っているが、根っからの明るい人間ではない。実際は1人でゲームしたり、漫画を読むのが好きだったりもする。団長なんて、正直向いてないと思った。実際今日も団長として力不足だと感じていた。だから、リレーは全力だして、勝つと決めていた。

グランド1周して、かなり距離を縮め、残り半周となり、廉がぬかす。

「キャーーーーーーー!!」
黄色い歓声が響いた。

廉は黄色団の前を通った時、ガッツポーズをした。そして咲の方をみて微笑んだ。

廉が咲をみて微笑んだことはもちろん一瞬だったし、誰からも気づかれていない。ただ、咲は目が合って顔が赤くなり、頑張れと声援をおくった。

廉はそのままゴールテープをきる。

「廉ナイスーーーー!」
「かっこよすぎかよ!」
黄色団のリレーメンバーが集まってきた。

黄色団は準優勝となったが、最後にかなり盛り上がり、楽しい体育祭となった。