「ハルナカナタ。ハルナカナタ。」
聞き間違いかな、?誰かが私を呼んでいる。
まだ止まらない涙を拭って、耳を澄ます。
「ハルナカナタ、コッチヘコイ。」
「だれ、?」
どこから呼んでいるのかもわからない。
「ハルナカナタ。ワタシハココダ。」
ここだと言われましても、?ね、?周りを見ても、いないんですよ、?
「ハルナカナタ。シタヲミロ。」
「下、?」
言われるままに、下を見る。
「なんだ、猫しかいないじゃん。猫、別にあんまり好きじゃないよ。犬の方が好き。」
そう言って、また上を向く。