「ぎゃあっ!冷たあっ!」
窓の外を見ていた私、中学一年生の春奈彼方(はるなかなた)の頬に、冷たいペットボトルが触れる。
「いつもボーッとしてるからだろっ!付き合ったんだから、俺のことくらい気にしろっ!」
「ベーっだ!私の生活はいつもと変わりませーんっ!」
「んなっ!」
「じゃあね〜!」
そう言って走って、振りかえる。私の彼氏、同じく中1の伊藤涼(いとうりょう)におもいっっっきりベーッと舌を出す。
ふーんだ!付き合ったからって、変わりませーんっ!
「おーいっ!」
追いかけてくる涼の声。
「ねーっ!追いかけないでよおっ!もともとの足の速