そう言って微笑む彼女のインカントのいい匂いが、私の鼻先をくすぐる。

甘いような、酸っぱいような、爽やかな香りは、太陽が射す今の季節に似合う。


女の子達はこれから、色々な悲しいことや辛いことを乗り越えて、自分の殻を破って成長していくんだろう。

私にも、この先で待っている出来事がある。

それを乗り越えたとき、私も大人に近づけるような気がする。

今の彩みたいに。


自分磨き。

それって私にも必要なのかもしれない。


日差しが強く照りつける窓際、女の子達の声が夏の時間に溶けていく。





 
FIN.