休み時間になると女の子達はいつも、好きな芸能人や先輩の話で盛り上がる。
でも今日は、皆彩の机の周りで城田君の悪口を言う事に専念している。
「信じられない!ほんと勝手」
「彩の気持ち少しは考えろっつーの」
私がふと廊下を見ると、城田君がうちのクラスの男の子と楽しそうに会話していた。
すると皆も城田君の姿に気付いて、一斉に彼をこき下ろす。
「どの面下げて彩の前に出てくるのよ、あいつ」
「あんなに楽しそうにしちゃってさ」
彩は廊下の城田君を見ようとしない。
女の子って、こういうとき、正直とても怖い。
集団の怖さっていうのがある。
私は城田君にほんのちょっぴりだけ同情した。
