授業開始のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。 彩はどうにか泣き止んだみたいだったけれど、いつもの元気さと明るさはまるでない。 皆が席について教科書を取り出しても、彼女は俯いて微動だにしなかった。 「おーい彩、教科書準備してー」