樹「横になって」














そう言って、寝かそうとする














「やだっ、」














樹「やだじゃなくて」














「だって、何するの...?」














樹「お腹と胸の音聞くだけ」














「やだよ、そんなの」














樹「でも、吐いただろ?」














「おれ、なんともない」














樹「京、心配だから診せてよ」














「やだっ、」














樹「春、呼ぶよ?」














「春は嫌。呼ばないで」














樹「なら、大人しく診察させて」














「むぅ、」














樹「横になって」














言われるままに、俺は横になった














樹「ちょっとお腹触るよ














痛かったら教えて」














京「痛い」














樹「まだ、触ってないだろ(笑)」














そう言って触診を始める














樹「なんで春の診察やなの?」














「おれのこと、子供扱いする」














樹「小児科だからね、」














「おれ、子供じゃない」














樹「そうだね~、」














樹はゆっくりと手を動かして














あるポイントを押した














「んんっ、」














樹「痛いね」














「やだっ、おしまいっ、」














樹「もう少しね」














そう言って別のポイントを押す














「んんっ、や、」














樹「ここも痛いか」














「やだっ、」














樹「次、聴診させて」














「もうやだっ、」














樹「痛くないから少し我慢ね」














そう言って聴診器をシャツの中に入れる














樹「深呼吸して、」














「おれの心臓、動いてる?」














樹「ふふ、ちゃんと動いてるよ」














「ならっ、ならっ、」














樹「しー、静かに」














喋りかける俺を静かにさせようとする














「いつき、ながい」














樹「そうだね~、」














そう言いながらも終わる気配がない














「おわり?」














樹「まだ、もう少し」














「もうおしまいがいい、」














樹「分かったよ(笑)」














苦笑いしながらも終わらせてくれた