凛は涙を流し始めた














「責めてないし怒ってないからな、














一応、確認しときたいだけ」














まぁ、消毒はしてないだろうな














「うーん、」














どうしようかな、














「1回、手洗ってくるな」














そういって手を洗って














消毒とガーゼと包帯を持ってきた














「凛、おいで」














独りで泣いている凛を抱き寄せた














「言ってくれてありがとう」














凛「...怒ってない?」














「むしろ、診せてくれて嬉しいよ」














凛は俺の胸に顔をうずめた














その状態のままで俺は質問する















「...凛は俺にどうしてほしい?」














傷を診せたということは














何かしらの形で助けてもらいたいんだろう













あの傷を見た感じ、縫ったほうがいいけど














縫うってことは薬を使うってことで














俺は医者として縫うべきなんだろうけど














俺のエゴのために凛を苦しめたくない














だから、あえて凛に質問した














凛「薬はやだ、お願い」














「うん、分かってる」














凛「...キレイに治る?」














そこか、気にしてるのは。














「うーん、このままだと無理だな」














凛「...」














「とりあえず、消毒して














ステリ貼って様子見てみよう」














凛「うん」














「ちょっと、染みるかもしれないけど














少しだけ我慢ね、」














凛「痛い、」














「痛いな」














パパッと処置を終わらせる














「終わったよ」














凛「ありがとう」














「...理由は?」














凛「...しんどくなっただけ、」














「そっか」














凛「京、大好き」














そう言って俺にキスをした














「凛」














凛「京のこと愛してるの」














「りーん」














凛「愛してるの」














そう言って涙を流した














その姿をみて、














俺は凛の唇にキスをした














凛「んっ、」














「俺も愛してる」














凛が俺に傷を見せてくれたのは














この日が最初で最後だったけど














凛が生きてくれたらそれでいい。














Fin.