湊月くんの甘い溺愛に困っています

たしかに外よりは周りの視線を気にならない。慣れている場所だから緊張することもなさそうだ。

わたしは廊下側の後から2番目の席、白石様はその1番後ろの席に向かい合わせでそれぞれ座る。

念には念をと、死角になる場所を選んだ。絶対に誰も通らないって保証はないからね。先生だって居残りをしている人だっているし。


「こういうの慣れてるの?」

「え?」

「人目を避けて場所を選ぶあたりがなんか手馴れているなって」

「昔からなんです。人と関わるのが苦手な湊月くんはいつも隠れるように過ごしていて、時々わたしも一緒にこうしていました」


中学生の頃は特に人目を避けていたから。屋上や体育館の倉庫、校舎裏とかも。大変だったけど、今思い返してみると懐かしさを感じるな。


「湊月さんってそんなに人と関わるのが嫌いだったの?」

「あぁ…本人いないので、これ以上話すのは……。ごめんなさい」


本人が居ない場で、過去のことを話すのは気分が悪い。誰にだって打ち明けたくないことだってあるはず。


「そっか。本当に仲がいいんだね」

「そんなこと…!幼い頃から一緒だったので自然に仲がいいだけで。もちろんケンカする時もありますよ」