湊月くんの甘い溺愛に困っています

傘をさして学校を出ようとしたその瞬間、後から視界を何かで覆われる…!


「だーれだ?」


女の子より大きくて硬い感じがする手。そしてこの声。囁かれたら普通の人なら胸を撃たれてしまう程甘い声質。


「白石様…!?」


パッと離され、振り向くとそこには間違いなく白石様が両手をひらいて立っていた。


「正解〜!さすが夢ちゃん」

「えっと、今日は撮影じゃ……?」

「いや、俺は今日オフなんだ。そっか、湊月さんは今日撮影か」


メインキャストだから毎日の撮影は皆一緒って思ってたけど、個人で撮影することもあるんだ。そういえばスケジュール管理が大変ってネットニュースで見たことある。

いや、そんなことよりもまず白石様がわたしといる!?この事実を人に見られたら炎上案件!!

優花里なら理由を話せば分かってくれそうだけど、他の関わりがあまりない人からしたら、勘違いを招くことになる。


「夢ちゃん今日暇?少し話さない?」

「話、ですか?でもわたしと居たら良からぬ噂が広まっちゃうんじゃ…?」

「その心配は大丈夫。いい場所知ってるんだ〜」


自信ありげな笑みを見せ、先導して歩き出した白石様。その背中をついて行って辿り着いたのは芸能科2年の教室だった。


「いい場所って教室のことだったんですね」

「ここから人が来ることは少ないし、何を気にしないで話せるだろ?」