湊月くんの甘い溺愛に困っています

こっちに来る…!

見つからないように実験室から離れようとした。しかし足音は止み、ガタンという音が響く。戻って再び隙間から様子を確認する。すると2人の姿は実験室から消えていた。


「湊月くん!!」


ドアを開けて実験室に入る。目線を下に向けると女の子は湊月くんを押し倒していた。


「夢!?どうしてここに」


気づいた湊月くんは慌てて彼女から離れる。わたしの傍に来た湊月くんに対して複雑な気持ちを抱いた。


今の、キスしていてもおかしくない距離だった。


「本校舎の生徒がここになんの用?」


さっきまでの甘ったるい声とは裏腹に相手に対して敵意を持っている低いでわたしに問う。


「湊月くん…彼と待ち合わせをしてて。遅いから迎えに来たんです」

「あなた神尾くんの彼女なの?」

「いえ、幼なじみです」


なんだか威圧感を感じる。わたしのことを敵視しているみたいな。


「そう、付き合ってないのね。ならあたしが神尾くんと付き合っても文句はないわよね?」

「え?で、でも『気持ちには応えられない』ってさっき…」


湊月くんの答えを聞いたはずなのに、図々しいにも程がある。諦めきれないくらい好きなのは分かるけど。

年上だからって上から目線に物事を言うのは間違っている。