湊月くんの甘い溺愛に困っています

もしかしたら学業に専念というのは建前で、本当は中傷が増え始めて事務所が休むことを判断したからなんじゃ………。

高校生になった彼は再び役者の世界に復帰。以前とは比べ物にならない程大きな成長を遂げ、王子の異名が付くくらい人気が戻り始めた。


白石さんがあんなふうに笑うようになったのはその時のことが原因で、今も尚抜け出せていないから。夢や俺が感じとったのは彼の本当の心。

幼い頃からひと回りもふた周りも違う大人たちに囲まれ、天才が故に心のどこかでしっかりしなきゃと幼い自分を隠して過ごしてきたんだろうな。

大人っぽく見えるのは昔からの癖で本当は腹を割って話せる友人が欲しかった。多分、子役の間でも対等に扱ってくれる人がいなくて寂しい思いをしてたんだろう。


「なんか分かるな、彼の気持ち………」


俺も、昔似たようなことがあったから。夢がそばに居てくれたから、ある程度子供らしい生活を送れたんだと思う。

……気になるのは夢の影響か?会ったばかりの人に対して何かしてあげたいって思うのはお節介だな俺も。


次の日の放課後、俺は白石政也のもとへ訪れた。


「やるよオーディション。受かる保証がなくても挑戦したい」