湊月くんの甘い溺愛に困っています

side:湊月


夢とのデートを終えた俺は帰宅し、部屋着に着替えてテレビをつけた。スマホのBluetoothを繋いで動画サイトのアプリを起動させる。

映画のオーディションのことを考える前にまずは白石政也について研究することにした。

子役時代からのキャリアがある白石さん。そのライバル役となったら当然、同レベルの技術が求められるだろう。

デビュー作は公園で遊ぶ子供Aの役。台詞は無いし、ただ遊んでいるだけだ。次の作品は少しだけど台詞があった。と言っても、友達を遊びに誘うたった一言の台詞。


『一緒に遊ぼう』


無邪気で、元気いっぱい。どこにでもいる普通の子供だ。

………違う。これは台詞なんかじゃない。本当に近所の友達を誘っている……!?

それから何時間もかけて白石政也が出演しているドラマや映画をひたすら視聴した。

回数を重ねるごとに演技は自然になっていく。まるで本当に俺自身が言われているみたいな錯覚を起こすくらいその演技の完成度が高かった。


白石さんは子役時代に“天才”と世間から絶賛されていた。有名な賞を取り、メディアへの露出も多くなってよりいっそう人気が増していった。