湊月くんの甘い溺愛に困っています

「湊月さんさー、映画のオーディションに出てみない?」

「映画の?なぜ俺みたいな素人に?芸能界にはプロの役者が大勢いるだろ?」

「いや、俺は湊月さんに出て欲しい。あのSkyの広告の湊月さんは素人ながらもプロに近い演技をしていた。俺はそれが気にいったんだ」

「だからと言ってオーディションなんてそんな簡単に受かるはずないと思うが……」



確かに映画のオーディションとなれば、白石様以上の役者さんたちが揃う。そこに1回CMに出ただけの湊月くんが受けたところで役が貰えるとは限らない。

狭き門だと白石様だって分かっているはずなのに……。よっぽど湊月くんの演技が彼の心を残っているんだろう。



「湊月さんに受けて欲しいのはヒロインに想いを寄せる青年のひとり。俺はヒロインと結ばれる青年の役を受ける」

「メインキャストの役をやるなら相手はプロのスタッフが適切な相手を決めるだろ。どうしてわざわざ俺にライバルの役を?」

「さっきも言ったけど俺は湊月さんの演技に感動したんだ。まるで、本当に恋をしているような自然な演技に。まぁ、その相手が夢ちゃんだとすぐに理解した。あの時の台詞は“夢ちゃん”に言ったものなんでしょう?」