湊月くんの甘い溺愛に困っています

「束縛……?わたしそんなつもりじゃ……」


自分の意思を伝えたつもりなのに、かえって重いことしちゃった。湊月くんは縛られるのが嫌いなのに。


しがみついていた腕をゆっくり離す。力が抜けてしまった。これ以上は嫌われる。


「どうしたの夢。もっと腕にしがみついててよ」

「え?でも…これ以上の束縛は……」

「なんで?可愛いのに。彼女から束縛したいほど好きって愛情表現されているのに嫌なんて言うわけないだろ。むしろもっとしてよ。全力で受け止めるから」

「重いって思わない?」

「思わないよ。てか俺の方が夢より重いと思うよ?あ、そういう訳だからごめんね」


湊月くんの言葉に完全に戦意喪失したファンの子たちはお店を出ていった。わたしたちもそれから間もなく店を後にした。


『全力で受け止めるから』


いつも、嫌な顔ひとつしないよね。なんでかな?わたしのこと好きだから?それにしても流石に嫌なことはそれなりにあるはずなのに。

優しいんだよ湊月くんは。いつもいつも。


「えい!」

「…っ!夢?」


ならもう一度、腕にしがみついてみたいと思った。どんな反応するのか、何を言われるのか確かめたくて。


「湊月くんが言ったんだよ?『全力で受け止める』って。だからもう一度したくなった」