湊月くんの甘い溺愛に困っています

「神尾くんこの後、あたしたちと遊ぼうよ!カラオケとか」

「すいません。彼女いるので誘いには乗れません」


ちらっとこちらに視線を送る湊月くん。目が合うのは慣れているはずなのに胸はトクンと甘い音を立てる。

今、彼女って。改めて言われるとなんだかくすぐったいな。恥ずかしいと嬉しいが同時に込み上がってくる。


「じゃあ、あの子が帰ってからでいいから」


その瞬間、わたしの感情が深い谷底へと落ちていった。

遊ばれてるって思われてる。湊月くんはわたしに本気じゃないって。

いつもそうだ。湊月くんを誘う人はわたしのことはただの幼なじみか都合のいい女としか認識されていない。

わたしが自分に自信が持てないのはその事が原因の一つだ。


そんなわたしだったけど、今は違う。湊月くんの彼女として胸を張っていい。

湊月くんがわたしを選んでくれた。それだけで自分に自信が持てて、怖くないって思えるんだ。


「あの、湊月くんはわたしの彼氏で大切な人なんです。だからこれ以上はダメです。わたしが帰っても傍に居ていいのはわたしだけだから…!!」


力いっぱい彼の腕にしがみついた。これ以上湊月くんに近づいてほしくない。ひとりじめしていいのはわたしだけだから。


「何よ。それって束縛じゃない?神尾くんが可哀想」