湊月くんの甘い溺愛に困っています

ーー今日も校門前は湊月くんを目当てに集まってきた人でいっぱい。下校も決まって遅い時間となった。

帰りが遅い分、湊月くんとお喋りしたり勉強したりと前よりたくさん湊月くんと居られてちょっと幸せ。

けど、いつまでもこの生活を続けられない。早くなんとかして、普通に登下校ができるようになりたい。

優花里たちや先生にも迷惑かけてるし。

学校が警察に相談しているみたいだけど、なんせ芸能活動している人が多いから毎回対処するのが難しいって、なかなか事の解決まではいきそうにない。


「夢、今日は早めに帰れそうだよ」


窓を指さして湊月くんは言った。立ち上がって窓の外を覗いてみると、いつもは人で埋め尽くされている校門前は少しスッキリしていた。


「パトカーが通ったように見えたから、きっと注意してくれたんだな。これで少しは収まるだろう」

「良かった〜。じゃあ、また集まって来る前に早く帰ろう」


人が少なくなった分、校門前が通りやすくなった。湊月くんは引き止められそうになったけど、その声はほとんどシカト。

前よりは感情が表に出るようにはなかった湊月くんだけど、人との関わりは相変わらず控えめだ。


学校から数メートル離れた所でようやく人の気配が無くなり、ひと安心。隣にいた湊月くんの手が触れ、そのまま繋いで新緑の中を歩いていく。